今回は洋服作り・型紙作りには関わる専門用語について、解説していきます。
洋服作りを始めたばかりの方は、次々に出てくる専門用語に戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか?
- デザインを決めるときに、ディテールの名称がわからない
- 型紙にかいてある記号やアルファベットの意味がわからない
- いちいち調べるのは大変…
こんな風に感じている方のために、洋服作り・型紙作りに関する専門用語をまとめて、わかりやすくご説明していきます。
1.洋服の仕様に関する用語編
洋服のデザインを考えるうえで、必要になる細かい仕様に関する用語をまとめました。
2.型紙作りに関する用語編
デザインが決まった後、型紙を作る段階で必要になる専門用語をまとめました。
聞き慣れない専門用語に戸惑っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
洋服・型紙作りの専門用語集!洋服の仕様に関する用語編
この章では、デザインを考えるうえで必要になる洋服の仕様に関する専門用語をまとめて解説いたします。
- ダーツ・ギャザー・タック・プリーツ
- ドレープ・フレア
- 衿(カラー)・ネックライン・ラペル
- ベンツ・スリット
- 切り替え・ヨーク
類似した用語ごとにまとめています。
ではひとつひとつ詳しくみていきましょう。
ダーツ・ギャザー・タック・プリーツ
ダーツ・ギャザー・タック・プリーツはそれぞれ膨らみや広がりを持たせるために必要な仕様の名称です。
ダーツ
身体にフィットさせるために、余分な生地をつまむ仕様をダーツといいます。
ダーツをいれることで、バストとウエストの差などがなくなり、身体のラインに沿ったタイトなデザインにすることができます。
ギャザー
生地を糸やゴムを使って細かく寄せること。
ゆったりと広がりのあるデザインに多く使われます。
またかわいらしいイメージになるので子供服にも向いています。
タック・プリーツ
タックには縫いひだ、つまむなどの意味があり、ギャザーよりも大きな幅で生地にひだを作る方法です。
2~3ミリほどの細かくタックをつくると、ピンタックと呼ばれます。
プリーツも同様に縫いひだのことです。
タックを規則正しく並べたようなデザインで、制服のスカートなどに多く使われる技法です。
もともとプリーツ加工された生地も販売されています。
タックやプリーツは、ギャザーと比べるやや控えめな大人っぽい印象になります。
タイトなデザインにはしたくないけど、子供っぽい印象も避けたい時にはタックやプリーツを使うのがおすすめです。
ドレープ・フレア
ドレープやフレアは布の動きのことをいいます。
ドレープは、ギャザーやタックなどと併用しながら作った、柔らかく自然に流れるようなひだのことです。
フォーマルなドレスに使うと、上品で華やかな印象になります。
フレアは、本来はゆらゆらとした動き、広がりという意味です。
洋裁用語でフレアスカートと言ったら、ギャザーやタックを使わずに裾を広げたスカートのことを指します。
ギャザーなどを使わないため、切り替え部分やウエスト部分がすっきりとした印象でありながら、華やかさも出ます。
衿(カラー)・ネックライン・ラペル
衿(カラー)・ネックライン・ラペルはそれぞれトップスにおける首元(衿ぐり)の仕様の名称です。
衿・カラーはみなさんもご存じでしょう。
よくあるシャツカラーやスタンドカラー、オープンカラーなどその形や付け方によって10種類以上に分けられます。
ネックラインは、衿のない洋服の衿ぐりのことです。
丸い形のラウンドネック、やや浅めのボートネック、四角い形のスクエアネック、V字形のVネックなど、こちらも形によって呼び分けされています。
ラペルは、テーラードカラーの衿から続く身頃の折り返り部分のことです。
このラペルの形によっても、ノッチドラペル、ピークドラペル、ショールカラーなど名称が変わります。
これらの衿・ネックライン・ラペルの形だけでもデザインのイメージは大きく変わっていきますので、いろいろと組み合わせてみましょう。
ベンツ・スリット
ベンツ・スリットはどちらも、タイト目なデザインの衣服に運動量を出す目的があります。
ベンツはジャケットやコート、タイトスカートの背中心や脇の裾につけられている開きのことです。
開き部分の布地が重なっている構造で、下に着ているシャツや素肌が見えにくいのでかっちりとしたフォーマルな印象です。
背中心にあるものをセンターベンツ、両脇にあるものをサイドベンツといいます。
スリットとベンツとの違いは、開き部分の生地が重なっているかどうかの構造にあります。
スリットは、チャイナドレスのスカートを思い浮かべていただくとわかりやすいですね。
上着の後ろ身頃の裾やボトムの裾だけでなく、トップスの衿元・袖口などにスリットを入れることで、服の脱ぎ着を楽にする目的もあります。
ベンツに比べると、ややカジュアルなイメージです。
切り替え・ヨーク
切り替えは主にデザイン上の効果のために使われる、ラインのことです。
その切り替えの中でも、身頃の背肩やボトムの腰部分にいれられたものをヨークと呼びます。
切り替えにすることでダーツをなくしたり、好きな位置からギャザーを入れたりすることができデザインの幅が広がります。
また肩や腰のヨークは、布目を横やバイアスにとることで生地が伸び、動きやすくする効果もあります。
洋服・型紙作りの専門用語集!型紙作りに関する用語編
さてここからは、型紙を作る際や実際に縫製作業をする際に、覚えておきたい専門用語をまとめてご紹介していきます。
- B・W・H(バスト・ウエスト・ヒップ)
- CF・CB(センターフロント・センターバック)
- AH・SP・NP(アームホール・ショルダーポイント・ネックポイント)
- ◎・わ
- 布目線・地の目線
- ノッチ・合印
型紙に書かれている用語は他にもたくさんありますが、今回はこの6点に絞って解説していきます。
B・W・H(バスト・ウエスト・ヒップ)
型紙上では、各部位の名称をアルファベットで表すことがあります。
まず、型紙を作るうえで大事な基準になるのがB・W・Hです。
B …バスト・胸囲のサイズ
BP …バストポイント・胸囲の一番高い部分
BL …バストライン・胸囲線
W …ウエスト・腹囲のサイズ
WL …ウエストライン・腹囲線
H …ヒップ・腰囲、臀部のサイズ
HL …ヒップライン・腰囲線
またWとHの間をMH(ミドルヒップ)と表記します。
CF・CB(センターフロント・センターバック)
次にこちらも必ず目にする表記です。
CF …センターフロント・前中心線
CB …センターバック・後ろ中心線
また、あまり表記されていることはないですが
SF …サイドフロント・前脇
SB …サイドバック・後ろ脇
などのように使うこともあります。
コルセットや、ハギの多いスカートなどを作る際は、CF・MF(ミドルフロント)・SF・SB・MB(ミドルバック)・CBのように使い分けるとパーツの区別をするのに便利です。
AH・SP・NP(アームホール・ショルダーポイント・ネックポイント)
その他、表記されている可能性のあるアルファベットをまとめました。
AH …アームホール・袖ぐり・またその寸法
SP …ショルダーポイント・肩先点・身頃の肩線とAHの交点
NP …ネックポイント(ただし、NPだけで表記されることはありません)
・FNP、BNP …前中心または後ろ中心と衿ぐりの交点
・SNP …肩線と衿ぐりの交点
EL …エルボーライン・ひじ線
NL …ニーライン・ひざ線
これだけ覚えておけば十分だと思います!
◎・わ
型紙の前中心や後ろ中心に、◎を半分にしたような印がついていることがあります。
または『わに裁つ』と言葉で表記されている場合もあります。
これらはどちらも、生地を折りたたみ左右対称になるように裁断することを示しています。
布目線・地の目線
布目線・地の目線は、型紙の中で矢印↓で表記されている線のことです。
裁断するときには、生地の布目と、型紙の布目線を合わせる必要があります。
毛並みのある生地や、一方向の柄がある生地はこの矢印の向きを揃えて裁断しましょう。
ノッチ・合印
ノッチ・合印は、パーツどうしを縫い合わせる際に、合致させる点のことです。
型紙の仕上がり線に対して、直角にいれます。
とくにカーブや、長い直線などはこの合印をしっかり合わせながら縫うのが、ずれずにきれいに縫うための大事なポイントです!
市販の型紙などを書き写して使うときも、この合印を忘れずに書き写しましょうね。
また裁断するときには、この合印の部分に3~5ミリ程度の切り込みを入れておきます。
まとめ
今回は、洋服作りや、型紙作りの際に覚えておきたい洋裁の専門用語について解説してきましたがいかかだったでしょうか?
- ダーツ・ギャザー・タック・プリーツ
- ドレープ・フレアー
- 衿(カラー)・ラペル・ネックライン
- ベンツ・スリット
- 切り替え・ヨーク
これらの用語を覚えておけば、洋服のデザインをするときにも役に立ちますね。
- B・W・H(バスト・ウエスト・ヒップ)
- CF・CB(センターフロント・センターバック)
- AH・SP・NP(アームホール・ショルダーポイント・ネックポイント)
- ◎・わ
- 布目線・地の目線
- ノッチ・合印
型紙に書かれている印や記号は他にもありますが、まずはこれらの基礎の用語を覚えておくと、市販の型紙を使う際にもきっと役立ちますよ。
専門用語でつまずいて洋服作りを楽しめていなかった方も、この記事を参考にぜひ洋服作りにチャレンジしてみてくださいね!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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