今回は合皮生地をミシンできれいに縫うために必要なおすすめの道具や、縫い方のコツをご紹介していきます。
合皮だけでなくエナメルやビニール生地にも応用できますよ!
- 合皮生地を縫うのにおすすめの道具
- 合皮生地をきれいに縫うコツ
このふたつに分けてみていきましょう。
合皮生地は最近では100円ショップにもハギレが売られています。
ポーチやカードケースのような小物も、合皮生地で作るとちょっと本格的に見えますよね!
そこで合皮生地での小物作りに挑戦してみたものの、うまく縫えずに困っている方もいるのではないでしょうか?
私のしている衣装製作の仕事では、合皮やエナメルを使う機会がとても多いです。
そこで得た合皮生地をうまく縫うための知識をお教えしますね!
合皮生地をきれいに縫う!おすすめの道具
合皮生地をミシンできれいに縫うために役に立つおすすめ道具をご紹介します。
- テフロン押さえ
- シリコンスプレー・シリコンペン
- レザー用ミシン針
- 仮止めクリップ
- 水性顔料インクのペン
おすすめしたいのはこちらの5点です。
どういったものなのか、どのように使うのかみていきましょう。
テフロン押さえ
テフロン押さえは、合皮やエナメル、ラミネート生地などの滑りの悪い生地を縫うのに適した押さえ金です。
スムース押さえという名前で売られているものもあります。
家庭用ミシンでも、テフロン押さえをアタッチメントとして購入することができます。
ご自分がお使いのミシンに適合するものを確認してから購入しましょう。
必ずしもこのテフロン押さえがなくても、合皮生地の種類によっては縫うことができるものもあります。
しかし、実際に縫ってみてうまく針が進まないと感じた時には、このテフロン押さえを使ってみると簡単に解決するかもしれませんよ!
シリコンスプレー・シリコンペン
シリコンスプレーやペンタイプのシリコン剤は、生地の滑りをよくする効果があります。
また縫い目が飛んでしまうのを防ぐこともできます。
生地そのものに吹きかけたり、ミシンの押さえ金等に塗ったりして使います。
合皮を使って大きな衣類などを作るのであれば、広範囲に吹き付けられるスプレータイプが使いやすいと思います。
小さめの雑貨などであれば、ペンやスティックタイプのものが小回りが利いて使いやすいでしょう。
レザー用ミシン針
ミシン針の中には、レザー用というものがあります。
合皮の中でも特に生地が厚めのものを使うのであればレザー用のミシン針があると縫いやすいでしょう。
テフロン押さえやシリコンスプレーを使っても、縫い目が飛んでしまう時は、糸が生地に引っ掛かってしまっている可能性があります。
レザー用のミシン針は、針先がナイフのようになっており生地への貫通性が良いので糸の引っ掛かりを防げます。
普通の針では縫いにくいと感じたら、ぜひこちらの専用針を試してみてください。
仮止めクリップ
仮止めクリップは、マチ針の代わりに使用します。
合皮生地やエナメルなどは一度穴があくと痕が残ってしまいます。
また生地が硬いこともあり、マチ針で止めるのが難しいです。
ですので、この仮止めクリップを使うのがおすすめです。
また使う場所によってはマスキングテープなども活用できますよ!
水性顔料インクのペン
水性顔料を使用したペンで、具体的にはサラサクリップやポスカなどがそうです。
色は白や金、銀などが使いやすいでしょう。
使い方としては、作品の仕上げにスナップボタンをつける時などの印つけとして使えます。
合皮やビニール等は表面がツルツルしていて普通のチャコペンでは印が付けられないものも多いのです。
そんなときは、水性顔料インクのペンがあると便利です。
ツルツルとした表面にもインクがのりますし、黒い合皮でも白インクではっきりと印がつけられます。
ただし、つけた印が消せないことが多いのでハギレで試し書きをしたうえで、痕が残ると困る場所には使わないように気をつけましょう。
さて、ここまでは合皮生地を縫う時にあると便利な道具をご紹介してきました。
ここからは、実際に縫うときにきれいに縫うためのポイントをお伝えしていきます。
合皮生地をきれいに縫う!縫い方のコツ
合皮生地をきれいに縫うためには道具だけではうまくいきません。
普通の生地の縫製とは少し違う、縫い方のコツがあるのです!
- 縫い目を少し大きめに設定する
- 生地が重なっているところは無理に縫い進めない
- 返し縫いができない時は生地をひっくり返す
- 縫い代はステッチでおさえる
- 滑らない時は紙を挟んで縫う
合皮生地をきれいに縫うためのコツを5点、詳しくみていきましょう。
縫い目は少し大きめに設定する
合皮やビニールなどは、何度も書いていますが表面が滑りにくい素材です。
そのため、普通の生地を縫っているときと同じ針目の大きさだと、針目が詰まってしまうことがあります。
ですので、いつもの針目よりも少しだけ大きめに設定してみましょう。
あまり大きすぎても良くないので2.5〜3.5くらいが良いと思います。
もちろん使っている生地によっても変わるので、始める前にハギレでの試し縫いは必ず行いましょう。
かなり分厚いものであれば4.0〜6.0くらいに設定することもあります。
しかし、そのくらい分厚い生地のものはそもそも縫製自体がとても難しいので、合皮生地に慣れるまでは扱わない方が良いと思います。
生地が重なっているところは無理に縫い進めない
普通の生地でも縫い代どうしが重なって分厚くなっている部分は縫いにくいですが、合皮となれば尚更です。
3、4枚重なって分厚くなっている箇所を縫いやすくするコツが2点あります!
コツ1:ダイヤルを手で回してみる
通常は手元のスタートボタンやフットペダルを使って電動で縫い進めますよね。
ですが、特に分厚い箇所を縫う時は、針のダイヤルを手で回してひと針ひと針をゆっくりと縫っていく方法が有効です。
そうすることで、途中で針が折れてしまったり、針目が飛んでしまったりということが少なくなります。
縫い目も他の部分よりもさらに少し大きめに設定するとやりやすくなります。
コツ2:厚紙を添える
分厚い箇所と薄い箇所の段差が大きく針が進まない時は、厚紙を使って段差を埋めるように押さえ金の下にひいてみてください。
送り金がなるべく平らになるようにすることで、針が進むようになります。
これは合皮生地でなくても、生地に厚みがある時に使える技なので覚えておくと役に立つと思います!
返し縫いができない時は生地をひっくり返す
ここで解説するのは布端の生地が重なって厚みがあるところから縫い始める際に、返し縫いがうまくできない時の対処法です。
返し縫いは、通常生地の縫い始めと縫い終わりにそれぞれする必要があります。
そして当然ですが合皮生地でも返し縫いはする必要があります。
ですので、普通に返し縫いができる場合はいつも通り返し縫いをしましょう。
ではうまく出来ない時はどうしたら良いでしょうか。
ずばり『返し縫い機能を使わない』のがコツです!
返し縫いをする時、通常は返し縫いのボタンやレバーを押すことでミシンが自動で反対向きに縫い進めてくれますよね?
その機能を使わずに、生地の方をひっくり返して縫うだけです。
- まずスタート地点から1〜1.5センチほど縫う。
- 針を落としたまま押さえ金だけをあげて、生地をくるりと180度ひっくり返す。
- 最初に縫ったラインの上を縫い、スタート地点まで戻る。
- 再び針を落としたまま押さえ金をあげ生地をもとの向きにひっくり返す。
縫い終わりの返し縫いも同じ要領です。
これできれいな返し縫いができますね!
縫い代はステッチでおさえる
普通の生地であれば縫い代はアイロンで押さえますが、合皮やビニールにアイロンは不向きです。
合皮生地は全くアイロンがかけられないわけではないのですが、普通の生地のようにしっかりと折り目をつけるのは難しいです。
ですので、しっかりとした折り目をつけたい時には表側からステッチをかけるのがおすすめです!
ステッチは、端から2ミリ、または5ミリの位置に1本だけかけるとシンプルで比較的上品な印象になります。
端から2ミリと7ミリの位置に2本かけると、デザイン性が増してかっこいい印象になります。
作っているものに合わせてステッチのかけ方も工夫してみるとより良いものができますよ!
滑らない時は紙を挟んで縫う
最初に合皮生地を縫うときにはテフロン押さえや、シリコンスプレー等を使うと良いと紹介しました。
しかし、エナメルのようなツヤツヤした生地ではそれらを使っても上手く針が進まない時もあります。
どうしても針が進まない時は、生地の上にハトロン紙と呼ばれる薄い紙を重ねてみてください。
紙を重ねたまま縫うと、滑りが良くなるのでかなり縫いやすくなると思います。
ハトロン紙は細い短冊状にしておくと使いやすいですよ!
縫い終わったら、紙は左右に引っ張ると簡単に破くことができるので跡も残りません。
ぜひ試してみてくださいね!
まとめ
さて今回は合皮生地をきれいに縫うための、おすすめの道具や縫い方のコツをご紹介してきました。
おすすめの道具はこちらの5点でした。
- テフロン押さえ
- シリコンスプレー・シリコンペン
- レザー用ミシン針
- 仮止めクリップ
- 水性顔料インクのペン
そして、縫い方のコツをこちらの5点でした。
- 縫い目を少し大きめに設定する
- 生地が重なっているところは無理に縫い進めない
- 返し縫いができない時は生地をひっくり返す
- 縫い代はステッチでおさえる
- 滑らない時は紙を挟んで縫う
いかがだったでしょうか?
合皮生地を使ってハンドメイドを楽しむ際の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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